

劇場公開に先駆けた5月9日、母の日を前に、本作の舞台である静岡にて、映画『FUJIKO』特別上映&トークイベントが開催されました。
イベントには、木村太一監督とMEGUMI(企画・プロデュース・出演)が登壇。母として、女性として、そしてひとりの人間として生きることを描いた本作に込めた想いや、国際映画祭での快挙について語りました。
■「理不尽を受け止め、道を切り開く」エンパワメントムービー
1970〜80年代の静岡を舞台に、女性や母親としての生き方の難しさ、そして力強く生きる姿を描いた本作。
MEGUMIは、 「自分の辛さを分かってほしいという強いフェミニズムではなく、理不尽なことを受け止めた上で、とにかく動いて、人に頼りながら少しずつ道を切り開いていく。そんなメッセージを伝えたかった」と語りました。
また、自身も高校生の息子を持つ母親であることから、「暗い海に浸り続けず、外に出たり、人に会ったりして、次へ行くために自分に処方箋を与える」と、年齢を重ねる中で身につけた“前へ進むための考え方”についても明かし、客席では深く頷く姿も見られました。
■ 目標を掲げるのではなく、目の前のことを一歩一歩頑張る主人公・富士子
主人公・富士子について、木村監督は「大きな夢や目標があるわけではなく、とにかく目の前のことをひたすら頑張る主人公として描いた」とコメント。
その背景には、監督自身が12歳で映画監督を志しロンドンへ渡った際、富士子のモデルでもある母親からかけられた、「早い段階で夢を持てたあなたはラッキー。多くの人は、目の前のことをコツコツ頑張った先に目標が見えてくるもの」という言葉に感銘を受けた原体験があったといいます。
さらに、「この映画を観た方が、気持ちが上がらない日に、一歩前へ進めるような気持ちになってもらえたら嬉しい」と語りました。
また、そんなパワフルな監督の母親について、初号試写の日に「大谷翔平選手の試合を見るためにロサンゼルスへ行っていた」というエピソードも披露され、会場を沸かせました。
■ ウディネ・ファーイースト映画祭での最高賞含む2冠、号泣のワールドプレミア
本作は、イタリアで開催されたウディネ・ファーイースト映画祭にて、最高賞「ゴールデン・マルベリー賞」と、「ブラック・ドラゴン・特別観客賞」を受賞しました。
トークでは、ワールドプレミア上映時のエピソードも披露。
MEGUMIは、言葉や文化の垣根を越えて、現地の観客が涙を流しながら拍手を送る姿や、「この映画を作ってくれてありがとう」と声をかけられたことに大きな感動を覚え、普段は決して感情を表に出すタイプではないが「崩壊して、声を出して泣いてしまった」と振り返りました。
また、MEGUMIと主演・片山友希が号泣する中、木村監督が「実はちょっと引いていました(笑)」と笑いを誘う場面もあり、4年をかけて制作した作品が観客に温かく迎えられた喜びを分かち合いました。

温かい拍手に包まれ、幕を閉じた本イベント。
ご来場いただいた皆さま、静岡での温かい時間をありがとうございました。
一歩一歩、目の前のことを乗り越えながら前へ進んでいく富士子。
映画『FUJIKO』は、そんな不完全で愛おしい人生を描いた物語です。
6月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
ぜひ劇場でご覧ください。